2020年度から小学校でも英語が必修科目となったため、早いうちから英語に対する意識を持つ保護者が多くなりました。実際に英検を受験する小学生も増えていて、日本英語検定協会のデータによると、2019年度は408,947人もの小学生が志願したとのことです。
その中でも英検3級は中学卒業レベルの試験なので、難しいと感じる人もいるでしょう。ですが、ポイントを押さえた学習をしていれば、小学生でも合格することは可能です。
もちろん小学生の学習方法は、中学生以上と全く同じというわけにはいきません。長丁場での学習となるので、保護者の理解やサポートも必要となります。ここでは小学生にも使いやすい教材や、小学生にとって効果的な勉強方法を紹介していきます。
小学生の英検3級 合格率はどれくらい?
公式の英検合格率が発表されていた2015年度以前のデータですが、実際に英検3級を受けた小学生の合格率は53%前後です。年度によって多少のずれはあるものの、半分強の小学生が合格しているということになります。英検3級の難易度はほぼ変わっていないため、現在もこの数値に大きな変動はないでしょう。
実は英検3級の受験者を全体で見た場合も、合格率は50〜55%ほどです。つまり小学生と他の年齢層の間に、合格率の大きな違いはないということになります。そして合格率にあまり差が出ない理由は、受験者の意識による部分が大きいと考えられます。
例えば中学生以上は意識の高低に関わらず多くの生徒が受けます。特に高校受験では英検3級以上を保持していると有利に働く場合があるため、中学生の受験率は高いでしょう。ただ、一部では「勉強せずに受験する」という人もいるのが現状です。その一方で、小学生で受験する子は高い意識を持ち、しっかり対策をした上で臨んでいる場合が多いのです。
また、英検3級はおよそ60%ほどの正答率が求められると言われています。分からない問題があっても他でカバーすることができるので、小学生でも合格できるのでしょう。
小学生に最適な英検3級の勉強方法を解説します
もちろん合格の可能生があるからといって、小学生にとって英検3級が簡単なわけではありません。やみくもに問題集を解くのではなく、何を学ぶか、そしてどのように学ぶか、ということをはっきりさせておくと学習の見通しが立てやすくなります。
学習のポイント
英語の基礎力を総合的に付けておかなければならないので、テキストや問題集を使って演習を何度も行いましょう。実際に学ぶのは子どもですが、保護者もどんな学習が必要となるか知っておいてください。
語彙力強化
リスニングでもリーディングでも、単語が分からなければ解けない問題は多いです。単語が聞き取れても意味が分からない、知らない単語だから英文を読んでも全体像がつかめない…という状態になっては困りますね。知らない単語の意味を推察する力も必要ですが、そもそもの語彙が不足していては推察のヒントも見つけられません。
さらにライティングに関しては単語を書く力も問われますし、英語から日本語だけでなく、日本語から英語を考える力も必要です。実は、英検3級で必要な単語数は2000語を超えます。そのため小学生で英検3級の受験を考えた時、できる限り早く取り組むべきポイントは語彙力の強化なのです。
集中して学習ができる子や、ある程度の漢字が読める子には「英検3級 でる順 パス単」(旺文社)をおすすめします。
出題率の高い順から単語が並んでいるため効率的に学習ができ、区切りごとにテストがついていて復習しやすいのが特徴です。
学習に楽しさが必要な子や、ルビがついている方が読みやすい子は「小学生のための英検3級 合格単語1200」(学研プラス)が良いでしょう。
カラーでイラストが付いている上、9歳の少年のストーリーが章末に載っているため、楽しく学習することができますよ。
文法理解
文法に関する問題は必ず出題されますし、中学校で習う全ての文法が範囲となります。小学校高学年では英文法も習いますが、肯定文や疑問文、基本的な動名詞などの内容にとどまります。英検3級で問われるものは比較や関係代名詞、完了形といった文法が多く、これは自力で学ぶ必要があるのです。
ただ、テキストを読むだけで理解するのは難しい範囲もあるので、そうした場合はオンライン英会話などプロの助けを借りるのも有効です。例えばkiminiオンラインには英検3級合格コースがあり、文法だけでなく語彙の学習にも役立ちますよ。
中でも文法の基礎となる品詞については、日本語でも小学4年生〜5年生で習う範囲です。そのため最初は概念の理解が難しいかもしれません。ですが品詞を理解していると、文法の理解度も上がりますし、長い英文が読みやすくなります。問題を解きながら、品詞についての理解も深めていきましょう。
「小学生のためのよくわかる英検3級合格ドリル」(旺文社)は、カラーでイラスト付き、ルビ付きという小学生にも読みやすいテキストです。
文法がマンガで説明されているので読みやすく、積極的に取り組むことができるでしょう。リスニングやライティング、さらに二次試験対策も含まれていて、英検3級全般の対策としてもおすすめです。
英語の音への慣れ
英検3級では一次試験で聞く力、二次試験で話す力が求められます。英語の音に慣れるためには、とにかく英語の音に触れること。できるだけ毎日英語を聞くことがリスニング対策につながります。もちろんただ英文を聞くだけでなく、「問題の選択肢を見てから聞く」「時間を測って聞く」など解き方を意識して行いましょう。
また、スピーキング対策には英語を話す練習が不可欠です。上述したオンライン英会話はスピーキングの練習にもぴったりですよ。リスニングとスピーキングは分けて学習するのも良いですが、英文を聞いた後に声に出して読むなど、並行して学ぶこともできます。
学習の進め方
小学生が英検3級を受験する場合、問題に慣れておくことがとても大切です。テキスト等で学習を進めるだけでなく、なるべく早い段階で過去問にも挑戦してください。
早い段階で過去問を解くメリットは、その後の学習プランが立てやすくなることです。ほぼ全ての範囲を一から学習する小学生は特に、時間を有効に使わなければいけません。語彙力が足りなければ語彙力を優先し、リスニングが苦手ならリスニングに時間を多めに割きましょう。
ある程度学習を進めた段階で再び過去問を解き、その後のプラン立ての参考にすると良いですね。過去問は「英検3級 過去6回 全問題集」(旺文社)を使うと、詳しい解説も載っているので安心です。
音声ダウンロードもできるので、いつでも手軽に英語の音を聞くことができる点も便利です。
問題に慣れ、学習も進んできたら予想問題に取り組むのも効果的です。その場合しっかり時間を測り、本番と同じように行ってみましょう。できれば解答用紙も準備してマークする練習も進めておくと、より本番に近い形で取り組むことができます。
また、単語を覚える際やリスニング対策時などにぜひ実践してほしいのが音読です。特に単語は「書いて覚える」という人も多いですが、何度も単語帳を読み込みながら音読することで「いつの間にか覚えている」という状態になります。
もちろんライティングでは単語が書けないといけないので、よく使う単語は書く練習も必要です。ただ、2000語全ての書きを練習する必要はありません。多くの単語を一気に学ばなければならない場合、音読して覚える方法は効率的ですよ。
そして音読はスピーキング練習というイメージがあるかもしれませんが、リスニング対策にも効果的です。そもそも「話せる」ということは「聞ける」ということでもあります。英語の発音を理解しているからこそ話すことができ、聞くことができるのです。
できそうであれば、聞こえてきた英文を追いかけながら音読する「シャドーイング」も取り入れてみてください。
小学生にとって英検3級はかなり対策範囲の広い試験です。そもそも試験慣れしていない子も多く、子どもが1人で計画的に学習するのは難しい場合が大半です。したがって学習スケジュールの管理は保護者が行うと良いですね。出来た部分はたくさんほめるなど、子どものモチベーション維持も忘れないようにしましょう。
受験前の確認事項
試験本番で子どもが実力を十分に発揮するためには、事前にいくつか確認をしておくべき内容があります。
子どもの年齢にもよりますが、教室で伝えられる説明や注意事項は、子どもにとって難しい場合があるためです。
保護者様自身も、英検3級のレベルや合格率などについて熟知しておく必要があるでしょう。
試験中は保護者が側についていることはできないので、あらかじめ親子で話をしておきましょう。
一次試験
まず、初めての場所でも保護者から離れて1人で試験を受けられることが前提です。過去に試験会場で保護者と離れて泣いてしまった…というケースもありますが、その場合は他の受験者にも影響が出てしまうので注意しましょう。
また、3級受験には身分証明書が必要です。小学生は生徒手帳などを持っていることは少ないですが、健康保険証やパスポートで代用できます。保護者が事前に確認するなどして、忘れずに準備しましょう。
そしてマークシートの書き方は、ぜひ事前に練習しておいてください。同じ回答欄にダブルマークして回答欄がずれてしまう…というミスは大人でも起こりますが、マークシートに慣れていない小学生は尚リスクがあります。慣れていないと欄を塗るのに時間がかかる場合もあるので、何回か慣らしておきましょう。
解答用紙に記載されている必要事項欄については、試験前に保護者が代筆することも可能です。その場合は試験開始の5分前までに完了するようにしてください。自宅で解答用紙のコピーに必要事項を記入しておき、それを持参しても問題ありません。
筆記試験の後にリスニング試験があることや、トイレに行きたいときは静かに手を挙げることなど、試験中の注意事項についても確認しておくと安心して試験に臨むことができます。英検のホームページなどを親子で見ておくと安心です。
二次試験
英検3級の二次試験は面接形式ですが、服装の指定は特にありません。慣れた服を着ておくとリラックスできるかもしれませんね。
また、二次試験では控室で面接カードの記入がありますが、一次試験同様に保護者の代筆が可能ですし、記入済みの面接カードのコピーを持参しても大丈夫です。保護者の付き添いができるのは面接カードの記入時までなので、記入が終わったら保護者は退出し、子ども自身が係の人の指示にしたがって動きます。
呼ばれたら部屋を移動し、合図があったら入室し、試験が終わったら静かに退出する…という流れは事前に確認しておきましょう。二次試験の内容については英検のホームページで「バーチャル二次試験」などを見ておくことをおすすめします。「この後何をするか分からない」という不安を出来る限りなくした状態で試験が受けられるようにしましょう。
小学生でも英検3級は合格できる
近年では、英検を受ける小学生は珍しくありません。その分小学生を対象としたテキスト類も増えていますし、インターネットを使った学習も盛んです。子どもによって苦手な部分も合うやり方も違いますので、それぞれに合った教材を選びましょう。
共通して言えるのは、まず過去問などを通して弱点を把握し、分野ごとの対策に活かすことです。どの分野から何を使って始めるか、という点は人によって異なりますが、できるだけ毎日英語の音に触れる時間は作ってください。
試験前には当日の注意事項や流れの確認もしておくと、安心して実力を発揮できるでしょう。知らない場所で長時間保護者から離れることになるので、なるべく不安は解消しておきたいですね。
もちろん小学生にとっては学習範囲が広いため、保護者のサポートは必須です。ですが、英検3級の合格は、中学校で本格的に始まる英語学習に対する大きな自信となるでしょう。親子で力を合わせ、合格を目指して頑張ってください。
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