リスニング力強化に効果があると言われる、シャドーイングとディクテーション。どちらも1人で手軽にできる学習方法ですが、違いがわかりにくいですよね。
それぞれの学習効果の違いがわからない方や、自分はどちらから先に手を付ければ良いのか迷う英語学習者は多いはず。
実は両者は似ているようで、全く違うトレーニング。
求める効果や英語レベルによって、選び方は変わります。
この記事では、
シャドーイングとディクテーションの特徴・効果や違い、どんな人におすすめなのか
を詳しく解説。あなたがどちらに取り組むべきかわかります。
どちらも、繰り返し行うことで高い効果が期待できる訓練。自分に合った方を見つけて、今日からコツコツ続けましょう!
シャドーイングとディクテーションの特徴と相違点は?
シャドーイングの特徴
シャドーイングとは、聞こえてくる英語音声を影(シャドー)のように追いかけながら発音するトレーニングのことです。
シャドーイングの特徴には、下記の5つがあります。
シャドーイング最大のメリットは、英語脳に近づけること。シャドーイングでは、聞こえてきた英語音声を聞きながらすぐに発音するため、日本語で考えている余裕はありません。
英語を語順のまま理解してすぐ言葉にする訓練を重ねることで、瞬時に英語で反応できる英語脳に近づいていくのです。
シャドーイングを続けることで英語の理解スピードが上がり、リスニング力が強化されます。英語特有の発音や音感を身につけ、スピーキング力も向上。さらに英文を丸ごと何度も真似することで、単語や熟語を自然と覚えられます。
ただ、シャドーイングは高い集中力を必要とするハードなトレーニング。元々は英語通訳者を目指す人たちの間で行われていた、高度な訓練方法です。
シャドーイングが向いている人
シャドーイングは高負荷トレーニングのため、英語中〜上級者に向いている方法です。初級者は、次に解説するディクテーションから挑戦するのがおすすめ。
ハードな反面、高い効果が期待できるシャドーイング。「できるだけ短期間で、集中的に英語力を伸ばしたい」という人にはぴったりです。
シャドーイングがもっとも効果的を発揮するのが、リスニング力とスピーキング力の強化。真剣に取り組めば、語彙力や瞬発力なども含めた総合的な英語力が底上げされるでしょう。
ディクテーションの特徴
ディクテーションとは、英語音声を聞き、聞こえた通り文字に書き起こすトレーニングのこと。主にリスニング力を強化するために使われる方法です。
ディクテーションの特徴には、下記の5つがあります。
実際に英語音声を文字に書き起こそうとすると、聞き取れない部分をはっきりと意識することになります。これが、ディクテーションの優れているところ。
聞き取れなかった言葉の意味を調べることで、語彙力が上がります。発音やスペル、用法まで一緒に覚えられるのもポイント。冠詞や複数形など、正しい文法も身につきます。
また神経を研ぎ澄ませて聞き取ることで、効果的なリスニング練習に。
日本人にとって、イントネーションやリエゾン、アクセント、リズムなどを含めた英語特有の発音は聞き取りにくいもの。ディクテーションをすると、どの発音要素が苦手なのかもはっきりわかります。その上で英語発音のルールを学べば、英語への理解が深まります。
ただ「文字を書き起こす」という特性上、ノートやペンなど、文字を書くための道具は必須。アプリを使えば、スマホでのディクテーションが可能です。
ディクテーションが向いている人
ディクテーションはシャドーイングに比べると負荷が少なく、英語初級者から試してほしいトレーニングです。特に英語の発音やリズムが聞き取りにくい人は、効果を感じられるでしょう。
自分の弱点を発見できるため、効率的にリスニング力を強化できます。発音とスペルを同時に学習して、語彙力を強化したい人にもおすすめです。
シャドーイングとディクテーションは、リスニング力向上に役立つ点は同じですが、大きく違うのは難易度。聞きながら発音するシャドーイングの方が、書き取り形式のディクテーションよりも難しくハードです。
ただ、シャドーイングは中〜上級者には高い効果をもたらします。
シャドーイングとディクテーションは似ているが学習効果が全く違う
シャドーイングとディクテーションは混同されがちですが、学習効果には大きな違いがあります。
シャドーイングは、スピーキングも含めた英語力を総合的に伸ばす訓練。一方ディクテーションは、リスニング力や語彙力強化が中心です。
両者の主な学習効果は下記の通りです。
シャドーイングは、自分の口を動かすアウトプット型の訓練。瞬時に英語が出てくる「英語脳」を作ることが最大の特徴です。
英語をそのまま理解する回路ができることで、リスニング力もアップ。英語の発音や音感を身につけ、語彙力も向上します。
一方ディクテーションは、どの単語や発音が聞き取れないのかはっきりわかる点が、一番のメリット。弱点を見つけ、一つずつ克服することで英語力が向上します。
集中して聞き取ることで、リスニングトレーニングにも。さらに聞き取れなかった部分を調べて覚えれば、語彙力や文法知識も強化可能です。
シャドーイングとディクテーションはどちらから先に手を付ければ良い?
おすすめの順番は、ディクテーション→シャドーイングです。
英語音声を書き起こすだけのディクテーションに比べて、聞きながら発音するシャドーイングの方がハードだからです。
シャドーイングの場合、日本語を介さずに英語音声の意味を理解し、発音やイントネーションに注意しながら発音するという作業を同時に行う必要があります。
相当な集中力と反復を必要とする訓練で、1つの音源に対して100回程度繰り返すことを勧める専門家もいるほど。
それだけ効果は高いですが、挫折しやすいのも事実。
シャドーイングやディクテーションを手軽に始めるならアプリがおすすめ
シャドーイングやディクテーションをする時におすすめなのがアプリです。従来個別に必要だった教材や音源などが、スマホ1台に入ります。
英語の学習方法がそのままスマホアプリになっており、シャドーイングアプリやディクテーションアプリと呼ばれています。
今は便利な専用アプリが豊富に揃っていますので、使わない手はありません。
アプリによって特徴は様々ですが、代表的なメリットにはこんなものがあります。
アプリには、自分の英語レベルに合った教材が豊富に用意されています。面倒な教材探しに時間を取られることはありません。
さらにディクテーションの場合、ノートやペンの代わりにタイピング入力が可能。再生速度調節機能や録音機能がついているアプリもあり、シャドーイングの学習に便利です。
また、アプリならスキマ時間でもすぐに取り組めるのがポイント。学習開始のハードルが下がり、トレーニングを継続しやすくなります。
シャドーイングもディクテーションも繰り返し学習するのが大事!
英語脳を作り、スピーキング力を含めた英語力を総合的に鍛えるシャドーイング。弱点をあぶり出し、リスニング力や語彙力を強化するディクテーション。
両者は似ているようで、全く違った訓練方法です。比較的負荷が低いディクテーションから始めて、高い効果が期待できるシャドーイングに移るとスムーズ。
特徴や難易度は違いますが、どちらもコツコツ繰り返し取り組めば効果が出る点は同じです。便利なアプリを利用しながら、ぜひ続けていってください。
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