リスニングは筆記試験が終わった後に行われます。英検5級は特に低年齢児の受験者も多く、集中力をキープするのも難しい場合があるかもしれません。
ただ、英検5級のリスニングはスピードも比較的ゆっくりで、聞き取りやすい英語です。問われる内容もシンプルで、「あなたのカバンは何色?」「青です」というレベルのものも多いです。そのためしっかり対策しておけば、満点を取ることも不可能ではないでしょう。リーディングが苦手な人は特に、リスニングでしっかり点数をとっておきたいですね。
ここでは英検5級のリスニング試験の内容を紹介し、解き方や学習方法についても解説していきます。
英検5級 リスニングの試験内容
まず、英検5級のリスニング試験がどういう内容なのか知っておきましょう。問題構成や試験時間を知っておくと、事前の対策がしやすくなります。
英検5級 リスニングの配点や合格点
5級で審査されるのはリーディングとリスニングの2技能で、設問数は異なるものの、それぞれに425点ずつのスコアが与えられています。
また、設問によって事前に配点が決まっているわけではありません。現在の英検ではCSEスコアによる合否判定を採用しているため、明確な合格点は定められておらず、「リスニングで○点以上取れば良い」という基準はないのです。
ただ、合格点は受験級ごとに定められています。5級においてはリーディングとリスニングの合計で419点以上のスコアを取れば合格することができますよ。
英検5級の合格点についてさらに詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。
英検5級 リスニングの問題構成
大問1は応答文選択、つまり英文に対する応答として適切なものを選ぶ問題です。イラスト付きの問題ですが、イラストは参考程度で、英文と選択肢をきちんと聞き取る必要があります。
まず英文、例えば「Excuse me. Where is the bus station?」のような文が読まれます。続いて選択肢が3つ読まれるので、適切な選択肢を選び、番号をマークしてください。10問中8〜9問は、疑問文が読まれ、それに対する答えとして自然なものを選ぶ形式です。そのため疑問文と答え方の関係を身につけておく必要があります。
続く大問2は、会話の内容一致問題です。AとBの短い会話を聞いた後、その内容に関する質問が読まれます。問題文に選択肢が記載されているので、答えはその中から選んでください。
あらかじめ設問を読んでおいて、どのような内容が問われるか予測しておくと聞き取りやすいです。例えば選択肢に「At 6:00」など時間に関するものが並んでいれば、「What time 〜?」という質問が来るのでは、と考えられます。会話を聞く際には、時間に関する内容を集中して聞けば解くことができますね。
大問2の設問数は5問で、リスニング試験の中では1番少ないです。
最後となる大問3は10問あり、イラストの内容一致問題です。イラストが付いている点は大問1と同じですが、大問3の場合はイラストがかなり重要になります。
質問に対する答えを考えるのではなく、イラストの内容を表している英文を選びます。そのため聞き取る英文は選択肢のみです。特に時計や重さなど、イラストの中に数字が出てきた場合、高い確率でその部分が問われます。例えば「15kg」の文字を見て、「fifteen kilograms」と読むことができるようにしておきましょう。
英検5級 リスニングの試験時間
リスニング試験自体は約20分ですが、ガイダンス等もあるためもう少しかかる場合もあります。英文はそれぞれ2度ずつ読まれ、問題と問題の間は10秒ずつあります。そのためこの10秒を活かして次の問題の選択肢を読んでおくなど、工夫できると良いですね。
また、5級の英文は比較的ゆっくり読まれます。内容も日常的なものが多いので、焦らず落ち着いて聞くようにしましょう。
英検5級 リスニングの練習方法
それでは実際にどのようなコツがあるのか、どのような学習方法をとったら良いのか考えていきましょう。リスニングの練習は続けることで効果が高まります。少しの時間でも良いので、継続して学習してください。
英検5級 リスニングでは集中力を上手く配分する
特に低年齢児の場合は、集中力をキープすることが難しい場合もあります。英文は2回読まれるとはいえ、集中力を切らして英文を聞き逃してしまうと、答えることができません。そのため「最低でもここは集中する」というポイントを知っておき、聞き逃さないようにしてください。
まず、大問1・大問2は「疑問文→答え」というパターンが多いため、文頭を聞き逃してはいけません。特に大問1では、疑問詞さえ聞き取ることができれば答えられる問題も多くあります。
例えば「What color 〜?」という疑問文があった時に、選択肢が「I like your bag.」 「It’s big.」「It’s red.」だったとしましょう。他の部分が分からなくとも、「何色?」と聞かれているため、答えは「It’s red.」だと分かりますね。逆にここが聞き取れないと答えの決め手がなくなってしまいます。
一方で大問2の場合は、疑問詞が答えのヒントとはならない場合も多いです。また、例えば選択肢に「At 6:00」など時間に関するものが並んでいた場合、会話の中には時間に関するワードが複数出てくる場合が多いです。つまり「会話の中で聞こえた時間=答え」とはならず、「何の時間なのか」という点までしっかり聞き取らなければなりません。
そのため1回目の放送では、質問文を聞き取ってください。ここで「何の時間なのか」という点を聞き取ることができたら、2回目の放送でキーワードを見つけましょう。1回目と2回目で集中する箇所を変えるということですね。
そして大問3の場合、選択肢は基本的にほぼ同じ英文で、キーワードだけが変わっている場合が多いです。そのため語彙力をつけておき、正しい単語の使い方をしているものを選ばなければいけません。
例えば座っている男の子がいたとすると、選択肢例は「Tom is talking 〜」「Tom is sitting 〜」「Tom is standing 〜」となります。「座っている=sitting」ということが分かれば瞬時に解くことができますが、知らなければ解けません。低年齢児の場合は特に、数字などが苦手な子も多いので事前の対策が必要です。
英検5級 リスニングに必要な学習
英検5級のリスニング対策で必要なことは2点です。
まず語彙力は必須で、単語が分からなければ解けない問題が多いです。これはリーディングでも同様なので、早めに対策を始めましょう。
5級で必要な単語数は600語ほどと言われています。身近な単語も多いので、すでに知っているものもあるかもしれませんが、ポイントは音でも覚えることです。「like」を見て「好き」と言えるだけでなく、「ラィク」という音までイメージできるようにしておきましょう。
英検5級 絵で覚える単熟語(旺文社)は、必要な単語をイメージで覚えられる上、問題演習もついています。年齢を問わず使いやすい単語帳なので、1冊持っておくと安心です。
英検5級の単語の覚え方のコツについてはこちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
そして音読を取り入れることがスピーキングはもちろん、リスニング対策にもつながります。自分で発音できない音は聞き取ることができませんね。
近年はリスニングCDが付いている教材も多いため、その例文でも構いません。CDの音声を聞く、音声の後を続けて読んでみる(シャドーイングといいます)、CDをかけずに音読する…といったステップを踏んでみましょう。
英検5級 過去6回 全問題集(旺文社)などを使って、過去問演習を通したリスニング対策をしていくと、問題形式にも慣れることができるので効率的です。
総合的に英語力をつけたい場合、kiminiオンライン 英検5級合格コースもおすすめです。文法の学習をしながら、語彙力やリスニング、スピーキングの力を付けることができますよ。
将来的に上の級を目指す場合は、リスニング力だけでなくスピーキング力も必要になります。リスニングとスピーキングの力を同時に伸ばすことのできる音読、ぜひ取り入れてみてください。
英検5級のスピーキングの学習方法も、リスニングとつながる部分があるのでぜひご覧ください。
英検5級 リスニングで満点を目指すためにやるべきこと
まずは英検5級のリスニング試験について正しい情報を持っておきましょう。リーディングとリスニングは同じ点数で審査されますが、リスニングで点数を取っておけばリーディングの分もカバーできますよ。
また、大問1〜3に分かれており、それぞれで解き方のコツが異なります。問題ごとの解き方を知っておき、過去問などを使って何度か練習しておくと、本番も焦らずに取り組むことができるでしょう。
そしてリスニング対策のためには、語彙力が必須です。単語は数も多いため、一気に覚えることはできません。計画的に学習していきましょう。これから英検で上級を目指す場合も、その級に必要な単語を覚えることは必ず求められます。
そして単語を覚える際には音読が効果的です。リスニング対策という意味でも、自分でも英文を読み、英語の音に慣れていくことは大切です。「読めない音は聞き取れない」ということを肝に命じ、積極的に音読を取り入れてください。
英検5級のリスニングは、初めての受験でも高得点が期待できる分野です。しっかり対策し、リスニング試験を攻略しましょう。
英検5級の総合的な学習方法については、こちらの記事で紹介しています。
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