英検の入り口かつ英語の基礎とも言われる英検5級なので、不合格となると英語に対する自信をなくしてしまうかもしれません。ですが、合格できなかった背景には必ず原因があります。
大切なことはこの原因をしっかり見極め、次回の試験で活かすことです。合格するためには基本の英語力を身につけ、その力を試験本番で発揮できるように準備する必要があります。
ここでは英検5級で1度不合格となってしまった人が、次回の試験で合格をつかむためのポイントをご紹介していきます。
英検5級は本当に誰でも受かるのか
「英検5級は誰でも受かる」という意見を聞いたことがある人もいるでしょう。ですが本当は、英語の基礎を一通り身につけていなければ合格できない試験で、現在進行形や人称代名詞の変格、疑問詞など扱われる範囲も広いです。
まずは英検5級のレベルについてしっかり押さえておきましょう。
英検5級に落ちる確率
2015年度以前は公式に合格率が発表されており、それによると英検5級の合格率は80%超です。確かに高い割合で合格者が出ていますが、逆に言うと落ちる確率が20%弱、つまり5人に1人いるかいないかという割合なのです。
また、5級の目安は中学初級ほどと言われています。大体中学1年生で習う範囲と重なっていて、出てくる単語もほとんどが中学1年生の教科書に載っているレベルのものです。
中学校の定期試験を例に挙げると、テスト範囲をしっかり勉強した人は高得点を取ることができますが、それができなかった場合には赤点を取ってしまう人もいますよね。英検5級も同様にしっかり勉強した人は合格できますが、対策が十分でないと不合格となる場合があります。
英検5級の詳しい合格率や配点については、こちらの記事も参考にしてください。
英検5級に落ちた原因
それでは次回の試験に向けて効果的な対策をするために、今回不合格となってしまった原因を見つけましょう。まず自分がどちらのパターンか考えてみてください。
試験に慣れていなかった人の中には、問題形式やマークシートに慣れていなかった、あるいは時間配分がうまくいかなかったなどの理由があります。いくら語彙力や文法の理解など英語の基礎が身に付いていても、試験でその力を出せなければ意味がなくなってしまいます。
低年齢児に特に多いのは、マークシートに慣れていなかったパターンです。一方で英語力に自信がある分きちんと対策をしてこなかった人は、時間配分がうまくいかなかったのかもしれませんね。いずれの場合も本番を想定した練習が不足していたということになります。
一方で、そもそも語彙力が足りていなかった、文法が理解できていなかったというパターンもあります。あるいは久しぶりに英語に触れた人の場合、リスニングが全然できなかったという話も多いようです。
人によって苦手箇所は違うので、しっかり成績表を見直してください。分野ごとにCSEスコアに基づいたコメントが入っているはずです。このフィードバックを活かして苦手分野を見つけ出し、優先的に対策しましょう。
現在の状況と今後の対策
英検5級は中学初級レベルの試験なので、小学生以下のお子さんが受験する場合と高校生以上が受験する場合では状況が違います。そこで現在の自身の状況をしっかり把握し、適切な対策をとっていく必要があります。
英検5級に落ちたのが小学生以下の場合
小学生以下のお子さんが受験する際は、家や塾でしっかり勉強してきた場合も多いでしょう。そのため「普段はできているのになぜ?」と思う保護者もいるのではないでしょうか。
実は小学生以下のお子さんにとって、試験会場はかなり緊張を強いられる場所です。初めての場所で保護者と離れ、1人で静かに試験を受けなければならないため、焦りや不安から本来の実力を発揮できなかった可能性もあります。
英検5級に合格することで得られる自信やメリットもありますが、まだ焦る必要はありません。お子さんの気持ちも含め、少し成長してから再度チャレンジするのも方法の1つですよ。無理に勉強させてしまうと英語嫌いになる可能性もあるので、注意してください。
あるいはずれた欄に記入してしまった、うまくマークができていなかったなど、マークシートがうまく扱えずに不合格となってしまった場合もあります。対策としてはマークシート形式に慣れておくしかありません。テキストや英検公式ホームページに載っている練習用マークシートを使って、何度か練習しておきましょう。
もし勉強が足りていなかった、うまく対策ができていなかったという場合も、焦る必要はないのでゆっくり学習を進めてください。
小学生向けの英検対策方法についてはこちらの記事で解説しています。
英検5級に落ちたのが中学生の場合
中学生の場合は試験に不慣れなことが原因というパターンは減り、理解力不足の場合も増えてきます。英語が苦手で定期試験では赤点ギリギリ、補習になりがちなどという場合は不合格となる生徒も多いようです。
主に中学1年生の範囲が問われる試験であるため、特に中学2年生・3年生の場合は不合格に焦る人もいるでしょう。ですが、必要以上に焦ることはありません。冷静になって理解が足りていないところを中心に勉強し直し、次回で合格すれば良いのです。
もし特定の苦手箇所がなく全体的に分からない場合、あるいは英語に対する苦手意識が高い場合は、1から丁寧に学習を始めてください。英検5級をひとつひとつわかりやすく。(学研プラス)は、文法事項を丁寧に解説してある上に演習問題も豊富です。
1回分が2ページと少ないため、毎日の学校の勉強にプラスするのも苦ではありません。
リスニングが苦手、単語が分からないなど苦手箇所がはっきりしている場合は、その部分を優先的に対策してください。音読はリスニング対策に活かすことができる上、単語を覚える際も役立つのでおすすめの学習法です。
英検5級に落ちたのが高校生や大人の場合
ある程度は英語力を持っていると感じている高校生や大人は、英検5級受験に力を入れていないことがあります。つまり事前に時間配分を考える、過去問を見て問題の形式を押さえるなど、英検対策そのものが不足していた可能性があるのです。その結果自分の英語力をきちんと発揮することができず、不合格となってしまったのではないでしょうか。
その場合は過去問に何度かチャレンジし、解き方に慣れ、時間配分の目安もつけておくと良いでしょう。英検5級 3回過去問集(旺文社)など、解説付きの過去問集を使うことをおすすめします。
あるいは久しぶりに英語に触れた場合、英語の音が聞き取れずにリスニングで点数がとれないこともあります。次の試験まで継続的に英語を聞いて、耳を慣らしておきましょう。
リスニング対策のコツは継続的に英文を聞くこと、そして自分で読んでみることです。特に音読はなかなか取り組めていない人も多いですが、自分で発音できない音は聞くこともできません。積極的に取り組んでみてください。
また、細かい文法に関する記憶があやふやになっている場合は、文法書を読み直すのもおすすめです。英検5級で問われる問題はあくまで英語力の基礎なので、高校生以上であれば身につけておいて損はありません。
中1英語をひとつひとつわかりやすく。(学研プラス)は大人の学び直しにもぴったりの参考書で、英検5級に特化していない分、英語の基礎そのものをしっかり固めるイメージです。
ここから英検5級に合格するための対策を始めよう
1度不合格になってしまうと焦りや不安が生まれるかもしれませんが、あきらめてしまうのはまだ早いです。英検5級だからといって、誰でも合格できるというわけではありません適切な対策をとった人、そして本番で焦らず落ち着いてその力を発揮できた人の多くが合格できているのです。
不合格となってしまった場合、その原因は様々ですが、対策が甘かった部分がどこかにあるはずです。ここをしっかり見つけ、次回の試験を見据えた対策を進めましょう。マークシートの練習をするのか、過去問に取り組むべきか、文法書を読み直すのかなど、人によって必要な対策は異なります。
自分に合った対策を考える際、参考になるのが今回の成績表です。CSEスコアを見れば「あと○点で合格できていた」ということも分かるので、合格までの距離をつかむのにも役立ちますよ。今回の結果を次回の試験で活かすことができるよう、頑張ってください。
英検5級を総合的に学習したい人はこちらを参考にしてください。
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