英検4級のレベルや合格率は?合格点を取るための勉強法も解説します

英検4級のレベルや合格率は?合格点を取るための勉強法も解説します

英検は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定試験のことで、そのうち4級は「中学中級程度」のレベルと言われています。

そのため、中学2年生・3年生にとっては良い実力確認の機会となりますし、小学生・中学1年生の方にとっては一歩先取りの内容となります。

学校によっては、英検を取得していることで入試が免除になったり、英語の成績や内申に加点してくれるなど、様々な優遇が得られるというメリットもあります。

とはいえ、もちろん何の準備も無しに受けて合格できるような試験ではありません。

自転車に一発で乗れるようになる人はいないですよね?転んだりよろけたりして、何度も練習を繰り返すことで初めて乗れるようになったはずです。英検合格にも同じことが言えます。

しかし、練習すれば誰だって自転車に乗れるようになるように、勉強すれば小学生であっても中学生であっても、英検4級に合格することは可能です。

この記事では、長年学習塾で英語を指導してきた私が、「英検4級とはどういった試験なのか」、「合格するためには何を勉強すれば良いのか」について、いくつかの項目に分けて詳しく解説をしていきます。

これを読めば、英検4級を受験するための準備はバッチリですよ。

オススメの参考書や勉強の方法についてもご紹介していますので、是非最後までご覧ください。

目次

英検4級のレベル

英検4級に必要な英語力は「中学中級程度」だと言われており、簡単な英語を理解すること、それを使って表現する力が求められます。

「中学中級程度」というのは、具体的には「中学2年生で習う程度」と言い換えられます。

そのため、中学2年生・3年生の方にとっては良い復習の機会となりますし、小学生・中学1年生の方にとっては、先取り的な内容の試験となります。

また、英検4級合格に必要な単語量は、一般的に800~1300語前後と言われています。

5級と比べると、出題内容や形式がより実用的なものとなり、ある程度の長さのある英文を読み解く「読解問題」も加わるなど、難易度が高くなっています。

つまり英検4級は、小学生・中学1年生が何の対策もせずに合格するのは難しい試験と言えます。

しかし裏を返せば、対策さえすれば合格するのも夢ではないということです。

 中学受験を考えている小学生にとっては、英検4級を取得することで入試が免除になったり、成績に加点してもらえたりするなど、様々な優遇が得られます。

中学1年生にとっては、英検4級を受けることで今後習う英語の授業を先取りすることができ、これからの学習をより意欲的に進めることができるでしょう。

もちろん、中学2年生・3年生にとっても、今まで学校で学んだ内容がしっかり定着しているかを確認する良い機会になります。今後3級を受けるための足場固めにもオススメです。

以上のように、英検4級に合格しておくことは、皆さんが今後学習を進めていく上で大きなアドバンテージ(利点)となります。

4級は余裕で受かる気がするから、3級から受けようかなと思った人は、下記記事をご覧ください。

後にご紹介する勉強法を参考に、是非チャレンジしてみてください。

英検4級の合格率は?

検定を受けるにあたり、合格率というのはどうしても気になりますよね。

しかし2016年度以降、英検4級の合格率は公式には発表されていないんです。

ただ、それまでに発表された合格率を見てみると、2013年が70.1%、2014年が69.4%、2015年度が69.9%となっており、それ以降も大きくは変わっていないと見込まれます。

そのため、英検4級の合格率はおおよそ70%、単純計算で10人に7人が合格するくらいの難易度設定になっていると考えて良いでしょう。

英検4級の合格点・合格ラインは?

英検4級はリーディング500点・リスニング500点の計1000点満点となっており、合格基準点は622点です。

単純計算すると6割強の正答率で合格できることになりますが、話はそう単純でもありません。

というのも、英検では各設問の配点が公表されておらず、具体的に何問正解すれば合格できるのかがわからないんです。

英検は受験日の翌日に「解答速報」が出るので、それをもとに自己採点をすることができますが、配点がわからないため「何問中何問正解」といった形でしか確認ができないのが実情です。

詳しくはこちらの記事でも解説していますので、是非ご参照ください。

また、英検では2016年度から「英検CSEスコア」という採点基準が導入されました。

CSEとは「Common Scale for English(英語のための共通尺度)」の各単語の頭文字を繋げた略称で、国際基準に対応した採点基準となっています。

「英検CSEスコア」とは簡単に言えば、英語に必要な各技能の総合力を判断するための尺度です。

この基準においては、1つの技能が突出していても、他の技能が基準に達していなければ合格することができません。

そのため、「リーディングだけ極端にできて、リスニングは全くできない」といったアンバランスな得点では合格することができません。英検4級に合格するためには、リーディングとライティング、それぞれについてバランス良く得点することが不可欠です。

英検4級各技能の配点は?

英検4級には「リーディング・リスニング・スピーキング」の3技能についての試験が含まれています。

先ほども説明した通り、リーディングとリスニングの配点はそれぞれ500点、計1000点満点で合否が決まります。

「あれ、スピーキングの配点は?」

そう思われた人も多いかと思います。

そう、スピーキング試験は英検4級の合否には関係しないんです。

そのため、英検4級合格を目指す皆さんは、リーディングとリスニングに焦点を絞った対策をしていくことが、合格への最短ルートとなります。

とはいえ、スピーキング試験を受けなくて良いという話ではありません。

合否には関係ないものの、受験者全員が漏れなく受けることができるので、自分のスピーキング力を試す意味でも、是非全力で取り組みましょう。

また、3級から先の級では、二次試験として面接官と実際に会話をするスピーキング試験が課せられます。

今後3級から先の級を受験する上でも、スピーキング試験の経験は必ず役に立つはずです。

ちなみに、英検4級のスピーキング試験は録音形式で、自宅や学校などでコンピュータを使って受けることができます。

得点はリーディング・リスニングと同様に500点満点で採点され、合格基準点は324点とされています(しつこいようですが、級の合否には影響しません)。

小学生には英検4級は難しい?

最初に説明した通り、英検4級合格に必要なのは「中学中級程度」の英語力です。そのため、小学生の皆さんにとって英検4級は難しい試験であると言えます。

しかし、難しいからといって無理なわけではありません。しっかり対策をした上で受験すれば、小学生の皆さんでも英検4級に合格することは充分可能です。

事実、2013年度の小学生の英検4級合格率を見てみると、65,747人の小学生受験者の全体中、40,804人が合格と、約62%の小学生が合格しています。

(英検では、2014年度以降の小学生の合格実績を公表していません)

5級と違って、4級を受ける小学生はしっかり対策を取った上で臨んでいるはずです。

そんな彼らの合格率が62%というのは、決して高くないものの、不可能な数でもないはず。

小学生のうちから英検4級を目指すという志の高さは、とても素晴らしいものです。

小学生のうちに英検4級に合格することは、今後学習を進めていく上で大きな自信となるでしょう。

是非英検4級に合格して、今後の英語学習をステップアップさせていきましょう。

小学生の英検4級受験について、詳しくはこちらの記事も是非ご参照ください。

英検4級に合格するための勉強法

「英検4級がどんな試験なのかはわかったけど、実際どうやって勉強すればいいの?」

ここまで読み進めて、そんな風な疑問を持った人も多くいるかと思います。

そこで、ここからは英検4級に合格するためにオススメの勉強法について、「リーディング対策」、「リスニング対策」、「過去問演習」、「オンライン英会話」と分けた上でご紹介させて頂きます。

それぞれにオススメな参考書なども紹介していますので、是非参考にしてみてください。

リーディング対策

英検4級のリーディングでは、以下の4つの形式で英語力が測定されます。

  1. 単文の語句空所補充(15問)
  2. 会話文の文空所補充(5問)
  3. 日本文付き短文の空所補充(5問)
  4. 長文の内容一致選択(10問) 

4形式、計35問。

すべて選択式の問題で、4つの選択肢から1つを選んで回答します。

リーディングの問題を効率良く解いていくためには、英単語や熟語の知識、すなわち「語彙力」が欠かせません。

英検4級合格に必要な語彙力は、一般的に800~1300語ほどと言われ、中学1・2年生の教科書に出てくるレベルの、日常生活や身近な事柄に関するものが中心です。

そのため、中学生の皆さんはまず教科書にある英単語・熟語をマスターしていきましょう。

教科書の英単語と熟語についてマスターできたら、次は英単語帳での学習を行いましょう。

それにより、教科書に載っていた英単語・熟語の理解をよりしっかりさせ、また教科書だけではカバーし切れない語彙を補強することができます。

小学生の皆さんは、いきなり単語帳から入ってしまってOKです。教科書という第一段階が無い分ハードルは上がりますが、繰り返し取り組めば必ず攻略できるはずです。是非頑張ってチャレンジしてみてください。

英検4級に必要な英単語・熟語については、それぞれ以下の記事で更に詳しく解説しています。

単語帳に取り組む前の下準備としてはもちろん、一通り勉強した後の確認用としても使える内容となっていますので、是非こちらもご参照ください。

オススメの英単語帳

学習参考書界の大手「学研」の英単語帳。

英検4級の膨大な過去問データを分析し、特に出やすい730の単語・熟語と会話表現をまとめています。

アプリにも対応しており、英単語の発音が音声でも聞けるのでリスニング対策にも最適。

こちらは、もう1つの大手「旺文社」の英単語帳。

英検の過去問に加えて、中学1・2年生の教科書に掲載されている英単語・熟語を700語厳選しています。

こちらも音声アプリに対応しているため、リスニング対策も可能です。

リスニング対策

英検4級のリスニングでは、以下の3つの形式で英語力が測定されます。

  1. 会話の応答文選択(10問)
  2. 会話の内容一致選択(10問)
  3. 文の内容一致選択(10問)

3形式、計30問。

リーディングと同様すべて選択式の問題で、4つの選択肢から1つを選んで回答します。

リスニングの対策をする上で欠かせないのが、流れてくる英語を正確に聞き取る力。

そのためには、リーディングと同じように「語彙力」が必要ですが、違ってくるのは「耳で覚える」ということ。

いくら英単語が読み書きできても、音声として理解できなければリスニング問題を解くことはできません。

英単語を覚える際には、「口に出す」ことを意識するようにしましょう。

「耳で覚えるのに口?」と思うかもしれません。

しかし、私たち人間は自分の口で表せない発音を耳で認識することはできません。

そのため、英語の音声を正確に聞き取るためには、自分で発音することが一番の近道なんです。

また、慣れてきたら単語だけでなく、問題集や過去問に付属しているCDを活用して、実際の問題文を自分で発音してみる練習もしてみましょう。

実際に試験で出題される問題文は単語ごとに区切られていないので、このように文章として発音することが非常に良い練習になります。

また、流れてくる英文を文字に書く「ディクテーション」という作業もオススメです。声に出して練習するのが難しい場面などで、是非取り入れてみてください。

オススメの問題集

【CD付】英検4級 を ひとつひとつわかりやすく。 (学研英検シリーズ) 

英検4級の出題傾向を徹底的に分析し、ひとつひとつをやさしい言葉で解説した問題集。

CDが付属しているため、音読やディクテーションなどのリスニング対策に打ってつけです。

【CD2枚付・音声アプリ対応】7日間完成 英検4級 予想問題ドリル 4訂版  (旺文社英検書)

英検4級の本番を想定し、試験形式に慣れるために作られた問題集。

7日間で完成するようになっているので、無理なく学習を進めることができます。

CD・音声アプリに対応しているので、リスニング対策もバッチリです。

過去問演習

言うまでもなく、英単語の知識だけ、音声を聞き取る能力だけでは英検本番で正しい答えを選ぶことはできません。

そのため、リーディングとリスニングへの対策がある程度固まってきたら、過去実際に行われた試験である「過去問」での演習を行いましょう。

特にリーディングの④「長文の内容一致問題」やリスニングの③「文の内容一致問題」では、ある程度の長さをもった英文を理解しなければなりません。

これらを克服するためには、問題演習あるのみ。過去問を何度も繰り返し解き直すことで、着実に実力をつけていきましょう。

オススメの過去問や参考書、問題集については下記記事でも詳しく解説しています。是非ご参照ください。

オススメの過去問題集

2021年度 英検4級過去問題集 (英検過去問題集)

最新の過去問5回分を収録。実際に出題された問題に取り組むことで、より実戦的な演習が行えます。

また、過去問を分析して作られたオリジナル模試が1回分付いているので、直前対策はこれで万全です。

オンライン英会話

「英検4級を目指すにあたって、参考書での自宅学習だけでは不安・・・」

そんな人には、オンライン英会話での学習をオススメします。

オンライン英会話なら、自宅にいながらプロ講師によるレッスンを受けることができるため、効率良く効果的に英語学習を進めることができます。

中でも、教育業界で70年以上の実績がある「学研」が提供する「kiminiオンライン英会話」が特にオススメです。

先ほどもご紹介した学研の参考書『英検4級をひとつひとつわかりやすく。』をもとにした「英検®4級合格コース」という英検4級に特化したコースが用意されていて、英検4級合格に必要な単語・熟語の知識に加え、「話す・聴く・書く・読む」の4技能を総合的に身に付けることができます。

自分1人での学習では不安という人は、是非利用してみてください。

4級合格へ向けて

英検4級は、受験すれば誰でも受かるというような甘い試験ではありません。

その分、合格すれば入試で優遇されたり、今後学習を進めていく上での足場づくりができたりする等、様々なメリットが得られます。

そして何より、そんな難しい試験に合格したという達成感、これに勝るものはありません。

英検4級に受かる前と後とでは、見える景色も違ってくるでしょう。

今回ご紹介した勉強法を参考に、英検4級合格に向けて早速勉強を始めましょう!

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この記事を書いた人

純ジャパバイリンガル早大生/高校時代英語全国1位、TOEIC965点、英検1級/ 純ジャパ・留学経験なし・海外経験なし・凡人でも独学で英語をマスターする方法について発信/17000語覚えた英単語暗記法&正しい努力で超効率的な勉強をする方法▶︎noteへ

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