英検3級ではライティング問題が出題されます。他の選択問題とは違って記述式なので、苦手とする人も多いでしょう。そして中には、理由が書けないことが原因で苦手意識につながっている人もいます。思いついた内容を上手く英語で表現できない場合もあれば、そもそも何も思いつかないという場合もあるかもしれませんね。
それでも英検3級のライティングでは、主張に対して2つの理由を書かなければいけません。理由が1つしかない、あるいは理由が書かれていないと減点対象になってしまいます。
ここでは理由を考える際のテクニックをいくつかご紹介します。ライティング問題でしっかり点数を取るため、この考え方を身につけてください。
英検3級 ライティング問題の構成を確認しよう
ライティング問題では、質問に対して自分の考えと2つの理由を答える必要があります。語数は25〜35語を目安にしましょう。
ポイントは「主張→理由1→理由2」の順番で書くこと。下記の例題を基に、どのような構成になっているのか確認していきます。
【例題】Which season do you like the best?
引用:英検3級ライティング サンプル問題
解答例・解説
(主張)I like winter the best.
There are two reasons.
(理由1)First, I like to play in the snow.
(理由2)Second, there are many events in winter. For example, I like Christmas very much. (31語)
最初に質問の答えをはっきり書きましょう。これが主張であり、文の軸となります。その後には理由を2つ書きます。「There are two reasons.」(= I have two reasons.)は、主張と理由をつなぐ際に便利なフレーズなので覚えておくと良いですね。
構成自体はシンプルなので、ほとんどの問題は同じ構成で書くことができます。ただ、理由を思いつかなければ英文は完成しません。そのため、短時間で英語にしやすい理由を考える練習が必要なのです。
日本語訳:あなたが1番好きな季節は何ですか?
私は冬が1番好きです。理由は2つあります。まず、私は雪で遊ぶことが好きです。
次に、冬にはたくさんのイベントがあります。例えば、私はクリスマスが大好きです。
英検3級のライティング問題で理由を思いつくためのポイント
「理由が全く思いつかない」という人は、ぜひ次の3点を試してみてください。考え方のコツを身につけることができれば、理由を探す際に苦労することが減るはずです。
ここでは先の例題同様に、「好きな季節」を問われていると仮定して進めます。
ポイント1:主張を立てる前に理由を考える
多くの場合、主張を立ててから理由を考えるでしょう。主張が決まれば文を書き始めることができるので、特に焦っている人はすぐに主張を立ててしまいます。例えば「春」を選ぶと、「I like spring the best.」という主張を立てることができますね。ですが、明確な理由がないまま主張を立てると、その後で行き詰まってしまいます。
そこで発想を転換し、主張を立てる前に日本語で理由を考えてみてください。この時点で2つ思いつけば、すぐに英文を書き始めることができます。
時には、自分では春が好きだと思っていたのに夏の理由ばかり思いついた…ということもあるでしょう。ここで考えてほしいのは、ライティングでは相手に伝わる英文を書くことが目的であり、受験者自身の気持ちを伝えることが目的ではないということです。
そのため、自分の気持ちとずれた主張でも全く問題ありません。「本当は春が好きだけど、夏の方が書きやすいから夏で書こう」という考え方で良いのです。
ポイント2:違う切り口から考える
ポイント1の時点で2つの理由が思いつかなかった場合は、切り口を変えてみます。例えば1つめの理由を「〜できる」という視点で考えたら、2つめの理由は「〜できない」という視点で考えてみましょう。「自分が〜」という文を書いたら、次は「(物)が〜」と主語を変えて書くのも良いですね。
ここでは好きな季節を「夏」として、具体例をいくつか挙げてみます。
- 理由1:海で遊ぶことができる – 理由2:休みが長くて嬉しい
- 理由1:花火を楽しむことができる – 理由2:寒さは苦手
- 理由1:外で遊ぶのが好き – 理由2:夏はわくわくする季節
英語での書きやすさを考えると、理由はシンプルな方がおすすめです。例えば「太陽の日差しがきらきらしてきれいだから」という理由は、英文にするのが大変です。なかなか思いつかない人は、まず日本語で理由を考える練習を重ねましょう。
ポイント3:模範解答や一般例をイメージする
上記の方法で理由が1つも思いつかない場合は、難しく考えすぎている、あるいは自分の中の抽象的な気持ちを表現しようとしているのではないでしょうか。
その場合は「教科書ならどう書いてあるか」「一般的にはどう考えられるか」ということをイメージします。ライティングでは無理に個性を出そうとするより、当たり前のことを正しく書く方が大切です。
例えば好きな季節を「秋」とする理由を考えてみてください。「食べ物がおいしい」「気候が良くてスポーツがしやすい」「紅葉が美しい」など、いくつかイメージできるでしょう。
この中から自分が書きやすいものを選べば良いのです。
上述の通り、選んだ理由が自分の気持ちとずれていても問題ありません。
理由を書く時のコツも知っておこう
理由が思いついたら、次はそれを英語で表現する必要があります。逆に言うと、理由を英語に直すことができなければ、ライティングで使うことができません。
そのため理由を表現する際のコツをいくつか覚えておきましょう。
意見と具体例を分けて書く
例えば「春は暖かく、過ごしやすいから好き」という文があったとします。分かりやすい文ですが、英語には直しづらいですね。
この場合「春は暖かいから好き」という部分と、それをさらに詳しく説明している「過ごしやすい」という部分を分けて考えましょう。すると「I like spring because it is warm. Spring has a comfortable climate.(私は暖かいので春が好きだ。春は過ごしやすい気候だ)」
などと表現することができます。
あるいは「such as」「for example」などを使って、後ろに具体例を付け足しても良いです。長い1文を作るのではなく、分けて書くと書きやすくなりますよ。
使いやすい表現を身につける
また、よく使われる表現はあらかじめ使いこなせるようにしておきましょう。ライティングでよく使う表現には、例えば下記のものがあります。
表現例
- can 〜(〜することができる)
- like to〜(〜することが好きだ)
※like 〜ingでも同様の表現ができる - want to〜(〜したい)
- It is 〜 to…(…するのは〜だ)
例文
- I can swim in the sea.(私は海で泳ぐことができる)
- I like to play sports.(私はスポーツをすることが好きだ)
- I want to play outside.(私は外で遊びたい)
- It is exciting to watch fireworks.(花火を見るのはわくわくする)
英検3級のライティングで使える表現については、こちらでより詳しく解説しています。
練習問題にチャレンジ
それでは練習問題に挑戦してみましょう。できるだけたくさんの選択肢と理由を考えてみてください。
【問題1】What sport do you like?
【問題2】Do you read books in your free time?
解答例・解説
【問題1】I like soccer the best. I have two reasons. First, It is exciting for me to watch soccer games. Second, my father is a soccer player. I think he is so cool.(32語)
まずは「I like ○○」という主張を置いてから理由に進みましょう。ここでは「(自分が)サッカーを見るのが好き」「父がサッカー選手でかっこいい」という主語を変えた2つの理由を述べています。
また、「I have two reasons.」「It is 〜 to…」という2つの表現を活用しています。知っている表現の形をそのまま、あるいは少し変えて使うと、ミスのない文を短時間で作ることができますよ。
(日本語訳:あなたは何のスポーツが好きですか?
私はサッカーが1番好きです。理由は2つあります。まず、私にとってサッカーの試合を見ることはわくわくします。次に、私の父はサッカー選手です。父はとてもかっこいいと思っています。)
【問題2】
No, I don’t. I don’t like reading books because I’m not good at sitting still.
Also, I like playing outside with my friends in my free time.(27語)
Yes / Noで答える形式の問題でも、考え方は同じです。主張として「Yes」か「No」を答えてから、理由の説明に入ってください。「読書は好きではない」「暇な時間は外で遊ぶのが好き」と逆の視点から2つの理由を挙げています。語数が足りなくて調整したい場合には、「with my friends」のように「5W1H」の情報を足すと手軽に語数調整ができますよ。
解答例のように「because」を使った文を作る場合、文頭に使うことはできるだけ避けましょう。文頭で使うことが100%間違いとされるわけではありませんが、本来は文中で使う単語です。
(日本語訳:あなたは暇な時に本を読みますか?
いいえ、読みません。私はじっとしているのが苦手なので本を読むのが好きではないのです。また、私は暇な時には友達と外で遊ぶのが好きです。)
ライティング問題はテクニックで乗り切ろう
ライティング問題は形式や考え方、答え方が変わらないため、その場で0から解答を作り上げる必要はありません。その分あらかじめ答え方に慣れておく、使える表現を身につけておくなど、事前準備をしっかりしておきましょう。
そして人によってはかなり時間がかかってしまう「理由を考える」というプロセスについては、練習が必要です。最初は日本語でも構わないので、1つの選択肢に対して2つ以上の理由を考える練習をしてください。
自分の気持ちに忠実になる必要はないので、書きやすい理由、シンプルな理由を選ぶと良いですね。考え方に慣れれば、短時間で理由を作ることができるようになるはずです。
英検3級のライティングの攻略方法については、こちらの記事も参考にしてください。
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