ライティングは英検4級・5級での出題がないため、3級で初めて取り組むことになる問題です。
選択問題と違って自分で文を組み立てなければならないことから、苦手とする人も多い分野です。
ですが英検のライティングは減点方式なので、リーディングやリスニングと比べると満点をとりやすい分野とも言えます。
ライティングのポイントをしっかり押さえてミスのない英文を作れば、高得点がとれるはずです。
ここではライティングで点数をとるために、ぜひ行ってほしい5つのポイントを紹介します。
ライティングが0点では合格できない!?
現在の英検では、CSEスコアによる合否判定が採用されています。
CSEスコアは設問ごとではなく技能ごとに等分されており、3級の場合はリーディング・リスニング・ライティングのそれぞれに550点の満点スコアが与えられています。
つまり、仮にリーディングとリスニングで満点をとったとしても、ライティングが0点だと合格基準スコアには届きません。
そのため「時間がなくてライティングができなかった」という理由で不合格になってしまう人も多いです。
こうなることを避けるため、ライティングが苦手な人は特に、ライティング問題から取り組むことをおすすめします。落ち着いて確実に点数を取ってからリーディング問題に入るようにしましょう。
ライティング対策のためにやっておくべき5つのポイント
ライティングに対して苦手意識を持っている人は特に、いきなり問題に挑戦するのはハードルが高いですよね。そこでまずはルールや型の基本などライティングについての知識を持ち、準備を整えてから問題演習を始めましょう。
ポイント1・設問のルールを知る
以下に挙げるのは問題用紙にも書かれており、採点の観点としても公開されているルールです。重要な点ばかりなので、しっかり確認してください。
採点基準にも関わるポイント
ライティングの基本ルールであり、則っていないと減点の可能性があるのは次の3点です。
- 「自分の考え(主張)+理由2つ」という構成にする
- 語数を守る
- 正しい単語や文法を使う
まず、理由が1つしかない、主張が書かれていないなど、決まった構成から外れたものは減点対象です。理由を書く際は、主張と理由が食い違わないように注意しましょう。さらに具体的な説明などを加え、説得力を増す工夫ができると良いですね。
そして語数の目安は「25語〜35語」と決まっています。数語の増減はともかく、ここから大きく外れることがないようにしましょう。極端に短い場合(6語など)は減点となってしまいます。
そしてスペルや文法を正しく使うのは当然ですが、例えば「omatsuri」など、日本語をそのままローマ字表記したものも減点となってしまいます。どうしても使いたいという場合は、英語で説明を加えるようにしましょう。また、スペルや文法に自信がない場合は、無理にその言葉を使わずに、別の言い回しを考えてください。
下記は0点となる場合があるので注意
上記3点と違い、下記は減点ではなく0点の可能性があります。いくら内容が良くても採点してもらえなければ意味がないので、絶対に避けなければいけません。
まず、Questionに対応した応答になっていない場合です。例えば「どの季節が好きですか?」という質問に対し、「僕は海で泳ぐことが大好きです」と答えるのは不適切ですよね。
「好きな季節」を聞かれているのなら「夏が好き」などと答えなければなりません。日本語で見ると対応していないことがよく分かりますが、意外と英文では気づかない人がいるので気をつけましょう。
また、解答欄の外に書かれているものも採点対象から外れてしまいます。問題用紙に下書きをし、転記し損ねてしまった…などのミスがないようにしてください。
ポイント2・テンプレートを覚える
ライティングのテンプレートは「主張→理由1→理由2」です。この形を基本として文を作れば、正しい構成の英文が完成しますよ。
そして、単語や定型文などを知っておけば知っておくほど、ライティングで使える表現が増えていきます。問題演習の中で「この表現は使いやすい」と感じたらメモしておくなどして、表現の幅を増やしておきましょう。
ポイント3・シンプルな文を意識する
ライティングでは難易度の高い文法を使う必要は全くありません。逆に、「いかにシンプルに表現するか」という点が非常に大切です。そして関係代名詞を使う代わりに2文に分ける、スペルに自信のない単語は知っている別の単語に置き換えるなど、ミスをしない工夫をしましょう。
ただ、文の羅列にはならないように注意が必要です。「僕は夏が好きです。僕は海に入ることができます。アイスクリームを食べるのも好きです。」という文は、あまり論理的でなく分かりにくいですよね。文そのものはシンプルにしつつも、「なぜなら」「そして」などの接続詞を適度に使って論理的な文を意識しましょう。
ポイント4・語数調整のコツを身につける
上述の通りライティングには語数の目安があるため、語数を調整するコツを身につけておきましょう。1度書いた文から単語を減らすのは難しいので、下書きの際はなるべく短めの文になるよう意識すると調整しやすいですよ。
語数が足りずに困った時は、「5W1H」を使ってください。例えば「I can play soccer.」だと4語ですが、「Where(どこ)」という情報を足して「I can play soccer in the park.」と
すれば7語になりますね。
このように「いつ」「誰と」などの情報を少しずつ足して語数を調整してください。
ポイント5・よく出るトピックで練習する
出題されやすいトピックを使うことで、効果的なライティング練習ができます。出題パターンは大きく3つに分けられるので、どのパターンであっても対応できるようにしておきましょう。
「Which」を使ったパターン
解答例・解説
(主張) I like (hot / cold) weather better.
(理由1) First, I can enjoy (swimming / skiing) 〜.
(理由2) Also, I like to (eat ice cream / play in the snow) 〜
「どちらが〜?」という質問に対し、2択から選ぶパターンの問題です。この例題は「暑い季節と寒い季節のどちらが好きですか?」という意味ですね。
まずは好きな季節をどちらか選びましょう。これが主張になるので、文頭に置きます。この時に問題文の表現をそのまま活かすと、間違いのない文を作ることができますよ。
主張の次に来るのが理由1です。「First,(まず)〜」は理由を2つ述べる際にとても便利なので、ぜひ覚えてください。そして解答例はこのままだと文量が足りないため、「with my friends」(誰と)「in the pool」(どこで)などの「5W1H」情報をプラスします。
そして最後に理由2を書きましょう。「Also,(また)〜」の他、「Second,(2番目に)〜」を使っても良いですね。また、ここでは「like」の後ろにto不定詞を付けて「〜すること」の意味を表しています。これもライティングで使いやすい表現なので、書けるようにしておいてください。
「What / Where」などを使ったパターン
解答例・解説
(主張) I like to go shopping at the mall (near 〜).
(理由1) I have two reasons. First, The mall is new and big 〜.
(理由2) Also, some shops have a special sale 〜.
こちらはいくつかある選択肢の中から選ぶパターンの問題です。例題は「あなたはどこに買い物に行くのが好きですか?」という質問です。
「Which」を使ったパターンと同様に、まずは好きな場所を選び、主張として文頭に置きます。ここでは「at the mall」を主張としていますが、これだけでは情報が少ないので、「near my house」「near the park」などを付けておくと良いでしょう。
その後は理由1→理由2の流れですが、「I have two reasons.(理由が2つあります)」も使いやすい表現なので知っておいてください。このままでも語数は足りていますが、「〜」部分に情報を足すこともできますね。
「Yes / No」で答えるパターン
【例題】Do you often go to the library?
解答例・解説
(主張) Yes, I do. I go to the library
(理由1) because I can read a lot of books. I like reading very much.
(理由2) Also, I can relax in the library because it’s so quiet.
はいかいいえで答える問題が出題されるパターンもあり、これは「よく図書館に行きますか?」という質問です。
基本的な構造は他の2パターンと同じですが、「Yes, I do. / No, I don’t.」を入れても構いません。この部分が主張と言えるので、その後に理由を2つ続けます。
そしてこの例では「because」を使っていますが、基本的に「because」は2つの文をつなげる役割を持っており、文頭では使わない単語です。文頭に使うことが必ずしも間違いで減点対象とは言えませんが、避けられるなら避けた方が良いでしょう。このように2つの文をつなぐ形で使うのは問題ありません。
見直しのポイントも知っておこう
一通り書けたら、必ず見直しもしましょう。以下の点を再確認してください。
ここに問題がなければ、ある程度点数は取れているはずです。落ち着いて他の問題に進みましょう。
どうしても苦手な人は他の分野でカバーする方法もあり
上述の通り、ライティングで0点を取ってしまうと合格はできません。もちろんリスニングやリーディングも同様なので、1つの分野で丸ごと点数を落とすわけにはいかないのです。
ですが、ある程度点数を取った上でなら、他の分野でカバーすることはできます。各技能6割以上の正答率が目標と言われていますが、例えばライティングで半分しか取れなくても、リスニングで7割以上取ればカバーできますね。ライティングがどうしても苦手という場合は、できるところまで点数を取った上で、残りを他の分野でカバーしても良いでしょう。
もちろん個人差はありますが、小学生は文法知識が少ない反面英語を聞きとる力が高く、リスニングで高得点を取りやすい傾向にあります。一方で中学生以上は文法知識も身に付いている場合が多いので、リーディングでカバーしやすい傾向にあります。「絶対にライティングで6割取らなければ」と焦る必要はないので、安心してください。
ライティングのポイントを押さえ、英検3級合格を目指そう
そもそもライティングが苦手な原因は、書く練習が足りていないことも多いです。何度も練習していると、少しずつ書く力も付いてくるはずですよ。
ライティングでは難しい英文を書く必要はない代わりに、ミスのない英文を目指します。
ミスをなくすためには細かいルールを確認しておく、あるいはテンプレートや表現などを覚えておくことが必要ですよ。
そして様々なパターンの問題に挑戦する中で、シンプルな文の作り方や語数調整のコツを身につけていきましょう。
どうしてもライティングが苦手という場合は、点数が伸びない分をリスニングやリーディングでカバーすることもできます。
ただ、0点を取ってしまうとカバーしきれず不合格となってしまうため、部分点は取るようにしてください。
ライティングに自信をつけた後は、英検3級の総合的な対策に取り組みましょう。
こちらの記事で学習方法を解説しているので、参考にしてください。
一回だけ添削してもらうことも可能
「英文添削アイディー」は、166円から英文添削を行ってくれる英語学習サービスです。
英検一級・TOEIC900点以上の英語力を持つ専門家が、あなたが作成した英作文に対する修正・アドバイスをしてくれるため、ライティング対策にぴったりです!
料金体系は「ポイント支払い(都度利用)」と「定期券支払い(停学利用)」の2つです。
「1回だけ自分の英作文を添削して欲しい」という時にも役立ちます。
今なら、「新規無料メンバー登録」することで無料利用ポイント(1~2回分)がプレゼントされます!
コメント