英検4級を受けるにあたり、リーディングテストとリスニングテストに比べて、スピーキングテストは謎が多いテストですよね。
「英検4級のスピーキングテストってどんな試験なの?」
「英検4級のスピーキングテストの内容は?」
「英検4級のスピーキングテスト対策には、どんな勉強をすればいいの?」
「そもそも、英検4級のスピーキングテストって受ける意味あるの?」
こんな風な疑問が浮かんでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、長年学習塾で英検を受験する生徒たちを指導してきた実績のある私が、英検4級のスピーキングテストがどんな試験で、受けることにどんなメリットがあるのか、スピーキングテスト対策にはどんな勉強をすればいいのかなどについてまとめてみました。
これを読めば、スピーキングテストを受ける準備は万端です。
英検4級のスピーキングテストについて不安がある人は、是非参考にしてみてください。
英検4級のスピーキングテストって、どんな試験?
英検4級の試験は、一次試験と二次試験に分かれていて、一次はリーディングテストとリスニングテスト、二次がスピーキングテストになっています。
一次試験
- リーディングテスト(計35問)
- リスニングテスト(計30問)
二次試験
- スピーキングテスト(音読+4問)
英検4級の合否は一次試験であるリーディングテストとリスニングテストによって判定され、二次試験のスピーキングテストは合否には影響しません。
そのため、英検4級を受験した人すべてが、スピーキングテストを受けることが可能です。
英検4級の合否の判定や合格率については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非ご参照ください。
スピーキングテストは、コンピュータ端末を利用した録音形式です。
パソコンやスマートフォン、タブレット端末などからインターネットにアクセスして受験する形式のため、ご自宅でも簡単に受けることができます。
申し込んだ一次試験の合否閲覧日の翌日から受験が可能で、スピーキングテストの判定結果は、受験後約1ヶ月後にウェブ上で確認することができます。郵送などはされないので、注意が必要です。
受験時にメールアドレスを登録しておけば、採点完了のメールが届きます。心配な人はメールアドレスを登録しておくと良いでしょう。
英検4級スピーキングテストの内容
英検4級の公式ホームページによると、スピーキングテストの内容は以下のようになっています。
①音読
25語程度のパッセージを読む②パッセージについての質問
音読したパッセージの内容についての質問に答える③イラストについての質問
イラスト中の人物の状況や物の状況を描写する④受験者自身のことなど
出典:4級の試験内容
日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)
英検4級スピーキングテストの流れ
一次試験の成績表に印刷されている「英検ID」と「パスワード」を、英検公式ホームページ上にある「スピーキングテスト受験サイト」で入力し、ログインすることでスピーキングテストを受験することができます。
ログインすると、通信回線や音量についての確認、簡単なテストの受け方の説明がされた後に、早速問題が始まります。
問題文を黙読
まずは、この問題文を黙読します。制限時間は30秒です。
この後のパートでしっかり声に出して音読できるよう、発音を意識しながら、無理のないスピードで黙読するようにしましょう。
また、問題文だけでなくイラストに関する質問も出題されるので、この時点でイラストにもしっかり目を通しておくと良いでしょう。
問題文を音読する(録音)
続いて、問題文を音読します。制限時間は45秒です。
画面にマイクのマークが出て、音読内容が録音されます。大きな声で、しっかり発音して音読しましょう。
問題文は25単語前後の文章なので、45秒あれば無理なく読み切れるはずです。急がず焦らず音読していきましょう。
問題文の内容、イラストに関する質問に答える
次に、音読した問題文の内容に関する質問が2問、イラストに関する質問が1問出題されます。
質問をよく聞き、何を問われているのかをしっかり確認してから答えるようにしましょう。
音読同様、こちらも録音形式で回答します。大きな声で、しっかり発音することを意識しましょう。
受験者自身についての質問に答える
最後に、受験者自身についての質問が出題されます。
これまでの問題と違い、問題文の内容とは直接関係のない質問が来ますので、何を問われているのか特に注意して聞くようにしましょう。
こちらも、録音して答える形式ですので、慌てずにしっかり発音することを意識しましょう。
以上の流れで、スピーキングテストは終了です。
英検4級のスピーキングテストって、受ける必要あるの?
英検4級の合否は、一次試験であるリーディングとリスニングの合計点で決まります。そのため、スピーキングテストの結果は合否に関係がなく、任意での試験となります。
「じゃあ、スピーキングテストは受けなくても良いんじゃない?」
そう思う人も多いかもしれませんが、スピーキングテストを受けることによって得られるメリットがあるのも事実。
ここでは、そんなスピーキングテストのメリットについて説明していきます。
メリット①:英語力の自信に繋がる
スピーキングテストは、実際に声に出して発音し、それを録音することで合否を判定します。そのため、リーディングやリスニングだけでは計れない、英語で表現する力を確認する良い機会になります。
スピーキングテストに合格することで、英語での表現力に自信が付き、今後の英語学習におけるモチベーションが高まるのは間違いありません。
メリット②:3級以降のスピーキングテストの準備になる
英検の5級と4級のスピーキングテストは録音形式での試験ですが、3級以降は実際の面接官との対面形式での試験となります。また、3級以降はスピーキングテストも合否に影響してくるため、スピーキングテストをクリアしないことには、級に合格することができません。
3級受験者の中には、ペーパーテストである一次試験のリーディングとリスニングは点数が取れたものの、二次試験のスピーキングテストでは緊張してしまい、上手く話せずに不合格になってしまった、という人も少なくありません。
そのため、今後3級以降の受験も視野に入れている人は、4級のスピーキングテストをその準備と捉えて臨むようにしましょう。
英検4級スピーキングテスト対策にオススメの勉強法
検定の対策には、過去問が最も効果的です。
しかし残念ながら、スピーキングテストは過去問が一切公開されていません。
そのため、スピーキングテスト対策をするには、問題集などを使って演習をしていくしかありません。
とはいえ、一人で学習を進めていくのは不安ですよね・・・。
そこで、ここからはスピーキングテスト対策をする上でオススメの勉強方法についてご紹介していきたいと思います。
ここで紹介されている勉強法を実践すれば、自力でもスピーキングテストに合格することは難しくありません。是非参考にしてみてください。
ポイント①:使える英単語を増やす
スピーキングテストでは、実際に声に出した音声を録音することで合否が判定されます。そのため、正確に発音できる英単語が多い方が、それだけ有利になります。
リーディングやリスニングほど多くなくても良いので、意識的に発音できる単語を増やすようにしましょう。
単語の覚え方のコツや勉強方法については、以下のページで詳しく説明していますので、是非ご参照ください。
ポイント②:5W1Hをしっかり聞き取る
スピーキングテストでは、問題文に関する質問、イラストに関する質問、受験者自身に関する質問と、とにかく質問が多くなされます。
その際、質問されている内容をしっかり掴むためには、疑問詞、いわゆる5W1Hをしっかり聞き取ることが大切です。
疑問詞(5W1H)とは、What(何), Where(どこ), When(いつ), Why(なぜ/なんで), Who(誰), How(どのように/どのくらい)の6つのこと。
質問でこれらの疑問詞が使われた場合、それに対応した内容を答えなければいけません。具体的には以下の通りです。
- What(何)?⇒ものごと
- Where(どこ)?⇒場所
- When(いつ)?⇒時間、時期
- Why(なぜ/なんで)?⇒理由
- Who(誰)?⇒人物
- How(どのように/どのくらい)?⇒程度、状態、方法など
先ほど挙げたスピーキングテストの例題をもう一度載せておきます。太字部分が疑問詞で、下線部分がそれに対応した答えとなります。
Please look at the passage. What does Ken want to become?
(文章を見てください。ケンは何になりたがっていますか?)
— He wants to become a famous soccer player.
(彼は有名なサッカー選手になりたがっています)
When does Ken play soccer?
(ケンはいつサッカーをしますか?)
— He plays after school.
(彼は放課後にします)
Please look at the picture. What is the girl doing?
(写真を見てください。女の子は何をしていますか?)
— She is reading a book.
(彼女は本を読んでいます)
Do you like to play sports?
(あなたはスポーツをすることが好きですか?)
— Yes.
(はい)
What sport do you like?
(あなたはどんなスポーツが好きですか)
— I like tennis.
(私はテニスが好きです)
このように、スピーキングテストの質問文では、疑問詞が非常に多く使われます。正確に聞き取って的確な答えができるよう、日頃から意識的に疑問詞をしっかり聞き取る練習をしておきましょう。
ポイント③:実際に声に出して練習する
スピーキングテストは、実際に声に出して録音する形式の試験です。そのため、慣れていない状態では、気恥ずかしさや緊張から、なかなか上手く声に出せなかったり、間違った発音をしてしまっていたりすることが多々あります。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、スピーキングテストでしっかり受け答えをするためには、実際に声に出して練習する機会を多く設けることが重要となります。
具体的な方法として、友達やご両親に協力してもらい、質問⇄応答のやり取りを実際にやってみましょう。そうすることで、間違った発音をしていたり、発音が不明瞭だったりした場合には指摘してもらえますし、何より人前で発音することで、英語を発音することへの「慣れ」が養えます。
最初は少し気恥ずかしいかもしれませんが、是非実践してみてください。
友達やご両親に協力してもらうのが難しい場合には、ボイスレコーダーやスマホの録音機能を使って、自分の声を録音してみるのもオススメです。
ポイント④:文法を意識して話す
どんなに発音良く話せていても、文法的に誤った内容を話していては、スピーキングテストに合格することはできません。
たとえば、こちらの例題を改めて見てみてください。
Please look at the passage. What does Ken want to become?
(文章を見てください。ケンは何になりたがっていますか?)
この2文目の質問に答えるためには、以下のような知識が必要になります。
- 答えるとき、Kenは代名詞のHeに直さなければならない。
- doesが使われているので、答える時にはwantはwantsに直さなければならない。
- Whatに対応する答え(a famous soccer player)はbecomeという動詞の後に来なければいけない。
これらの知識を組み合わせた結果、以下のような応答が可能になってきます。
— He wants to become a famous soccer player.
(彼は有名なサッカー選手になりたがっています)
スピーキングテストにおいても、リーディングとリスニング同様に、英文法についての知識が必須ですので、しっかり対策をしておく必要があります。
英検4級に必要な文法については、以下のページで詳しく解説しています。是非ご参照ください。
ポイント⑤:問題集を使って演習する
以上の4つのポイントを押さえたら、後は問題集を使った演習あるのみ。
先述の通り、英検4級のスピーキングテストは過去問が公開されていません。そのため、問題集での演習が必要不可欠なんです。
とはいえ、問題集といっても、たくさんありすぎてどれを選べば良いのかわからなくなってしまいますよね。
そこで、英検4級を受けるにあたってオススメの問題集について、以下のページで詳しくご紹介しております。こちらを参考に、自分にピッタリの問題集を選んでみてください。
スピーキングテストを受けて、英語力に磨きをかけよう!
スピーキングテストは、英検4級の合否には影響しない任意の試験です。
受けるも受けないも受験者の自由。だからこそ、受けないのは勿体ない!
英検4級のスピーキングテストを受けることは、合否に影響しないとしても、あなたの今後の英語学習にとっては必ずプラスに影響します。
スピーキングテストを含めた、英検4級の総合的な勉強方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。是非参考にしてみてください。
英検4級のスピーキングテストを見事クリアして、自分の英語力に磨きをかけていきましょう!
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